ずっとずっとお母さんが好きだった。
何を言われても、何をされても、何をしてもらえなくても。
ずっとずっと家族に片思いしてるみたいだなって思って生きていた。昔、付き合っていた人から『都合のいい家族って扱いされてない?変な言葉だけど』って言われたとき、やっぱりそうなんだなって少し悲しかったけど、とても納得したのを覚えている。
母の機嫌を損ねると「あんたにはもう二度と話しかけない!」「もう会わない!」とキレられる。母の決め台詞。子供の頃から変わらない。そして、母の気が済むまで無視される。小さな子供の時は特にきつかった。
それでもお母さんが好きだった。
お母さんを嫌いになる日が来るなんて思わなかったよ。それでも心底嫌いにはなれない。